ガソナビ ガソナビ

トリガー条項とは?発動したらガソリンはいくら安くなる?

公開: 2026年4月30日 ガソナビ編集部

ガソリン高騰時にしばしばニュースで話題になる「トリガー条項」。法律としては 2011 年に成立しているものの、一度も発動されていません。本記事では仕組み・効果・発動されない理由を最新情報で整理します。

トリガー条項の正式名称と法的根拠

正式には 「揮発油税及び地方揮発油税の本則税率の特例措置」 と呼ばれ、租税特別措置法(第 89 条)に規定されています。

法律の構造は次の通り:

ガソリンの全国平均小売価格が 3 ヶ月連続で 1L 160 円を超えた場合、揮発油税の暫定税率 24.3 円および地方揮発油税の暫定税率 0.8 円を 一時的に停止する。

逆に、平均価格が 3 ヶ月連続で 130 円を下回ると、暫定税率を再度発動する設計です。

発動した場合の価格効果

仮にトリガー条項が発動した場合、ガソリン税のうち暫定税率部分が消えます。具体的には:

内容金額
揮発油税の暫定税率(停止対象)24.3 円
地方揮発油税の暫定税率(停止対象)0.8 円
小計25.1 円
それに対する消費税 10%2.5 円
店頭価格の引き下げ効果約 27〜28 円

レギュラーガソリン 170 円 → 約 142〜143 円 という水準になる試算です。

補助金との比較

現在運用されている 燃料油価格激変緩和補助金との比較:

トリガー条項補助金
効果(1L あたり)約 27〜28 円10〜25 円
仕組み税徴収を一時停止元売りに補助金支給
財源国の税収減国の予算支出
発動条件3 ヶ月平均 160 円超政府判断
発動の柔軟性法律の文言通り政府が機動的に調整
過去の実績一度も発動なし2022 年〜継続中

トリガー条項の方が効果は大きいですが、税収減という形で財源が直接減るため、政府にとっての負担構造が違います。

なぜ発動されないのか

トリガー条項は 2011 年 4 月から法律上有効になりましたが、東日本大震災の復興財源を確保するため、適用を凍結する特例法が同 4 月に成立しました。

それ以来、震災復興・コロナ対策・激変緩和措置などを理由に凍結延長が繰り返され、2026 年現在も凍結状態が続いています。

発動するには:

  1. 凍結解除の法改正 が必要(国会の過半数)
  2. または、政府の解除運用判断(実際には法改正必須との解釈が支配的)

実際に「3 ヶ月連続 160 円超え」の条件は 2022〜2023 年頃に何度も満たしていましたが、凍結により発動には至っていません。

政治的議論

トリガー条項の発動 / 凍結解除をめぐっては、与野党で見解が分かれてきました。

  • 発動推進派の主張: 補助金より効果が大きく、家計への直接的な恩恵が大きい
  • 凍結維持派の主張: 税収減の影響が大きい(年間 1.5 兆円規模)。補助金で機動的に対応すべき
  • 代替案: 補助金延長・拡充、消費税のガソリン税分免除など

近年は「トリガー条項の凍結解除」というスローガンが選挙公約に登場することもあり、政治イベント時には注目度が高まります。

ガソリン価格と政策動向

ガソリン価格対策は次のロジックで動いています:

  1. 原油高・円安でガソリン価格上昇
  2. 家計圧迫・物価上昇の懸念
  3. 政府が補助金で価格抑制(年 1〜2 兆円規模)
  4. トリガー条項発動の議論再燃
  5. 凍結維持で補助金延長

2026 年時点もこの構造が続いており、トリガー条項発動の見込みは「政治イベントで急浮上する可能性はあるが、すぐには発動されない」というのが冷静な見方です。

まとめ

  • トリガー条項 = 揮発油税の暫定税率 25.1 円を一時停止する制度(消費税込みで約 27〜28 円の引き下げ効果)
  • 2011 年成立、東日本大震災の復興財源確保で凍結中
  • 解除には法改正が必要で政治的ハードルが高い
  • 補助金との比較で効果は大きいが、税収減という財源面の課題

ガソリン価格と政策の最新動向は、ガソナビの月次予報記事で更新しています。

関連記事